2010年5月10日月曜日

第一課題のまとめ

プロセスをプレゼンする

授業の課題の説明ではなく、自分の活動=制作プロセスを説明すること。これは意外と難しいかもしれません。課題の意図を理解し、自分自身の問題意識として制作していかなければ、自分のやっていることを説明できないからね。
今回、受講生が多いためか、ちゃんとこのポートフォリオ制作の意図を理解できていない学生が多かったのはちょっと残念です。ま、今度の夏を過ぎると就職や進級などに絡んで、身につまされると思うので、いまはこれでよしとしておきましょう。
とはいえ、この授業では課題ごとにポートフォリオを制作するので、ヒントとしてまとめかたを解説しておきます。

メイン/サブに分けてのプロセス説明

この例では、試作→実験→まとめ、というメインの課題の制作プロセスを中心にレイアウトし、制作のヒントとなるサブ課題の説明をコラム的に扱って説明をまとめています。ただ、例に取り上げた作品は、わかりやすい構成ですが、もっとプロセスを明示的にレイアウトしたり、文章に頼っている部分を図解に変換するなど、「魅せる」という視点での表現の工夫が足りないと感じます。

ビフォー/アフターという構成

こちらの例は、制作の準備段階の素材表現が、最終的にどんな方法でどのようにまとめられたか、という事前/事後を対比させた構成になっています。この例では、「どんな方法で」の部分の説明が弱く、物足りない結果になっています。こちらも、「魅せ方」へのこだわりが足りませんね。

デザイナーの責任としての「説明」

「いちいち説明しなくてもわかるものを作る」というのはもっともな考え方です。しかしパソコンやケータイなどを例に挙げるまでもなく、現在のプロダクトデザインの多くは外観からその機能を読み取るのは難しく、動いてるところを見たり自分で使ってみないと、その価値がわからないものだらけです。それを「紙」という動かないメディアで説明しなければならない場面は数多くあり、デザイナーがそのためのスキルを持ち合わせていないと、自分の提案を社会に届けることができない、という状況になっています。
さらに、デザイナーに限らず、表現系職業の人々の多くは、終わった仕事を後からわざわざことばで説明するのが苦手、ときています。制作途中で説明・まとめも同時に進め、制作物の完成とともにまとめも完成している、そんな意識で自分の創作活動を意識して記録しておきましょう。

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